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自己集合性ペプチドの開発と損傷脳再生への医療応用

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細胞外マトリクスは、細胞の分化や増殖、移動を制御する生体組織であり、損傷組織が再生する際、細胞の足場として機能します。私達は、再生困難な損傷脳の、再生と機能回復を可能にする人工材料の開発を行っています。

組織再生を誘導する上で、細胞外マトリクスと類似の機能を持つ人工材料を用いることが有効だと考えます。そこで、細胞外マトリクスが持つ細胞接着性、細胞を支える機械的強度、そして成長因子徐放性のすべての機能を持つ人工材料の開発を進めています。

高い純度で合成することができ、分子集合化によって細胞外マトリクスと類似のファイバー状構造を作る自己集合性ペプチドJigSAPを開発しました。JigSAPは細胞接着性を有するファイバー形成により生理的条件でゲル化し、成長因子を全長タンパク質として固定化、さらに数日かけて徐放する機能を持ちます。

これまでに私達は、血管新生を誘導する成長因子VEGFを固定化したJigSAPを用いて、脳梗塞モデルマウスに対する行動機能回復効果を実証しました。これは、発症後時間が経過し、既存の介入方法では治療が困難な亜急性期脳梗塞モデルマウスに対して、単回投与で高い行動機能回復を実現した初めての例であり、分子集合体医薬品とも呼べる新たなドラッグモダリティを示す実証例としても注目される成果です。

​基礎研究にとどまらず、社会実装に向けた取り組みも積極的に進めています。

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